2007年01月23日 01:55

非常識の常識化と愛社精神

明らかに非常識と思える行為も、組織の中で継続的に行われれば、その非常識は組織の中で常識と化する。

不二家の問題。普通に考えると理解しがたいコトも、日常的にやっていると人の感覚は麻痺する。最初はおかしいと感じても、いつのまにかそれが正しいことであり、会社のためためであるかのように認識がすりかわる。

どんなに優れた人でも、組織人となると、この感覚は麻痺してしまうものなのかもしれない。

残念ながら保険業界もまるで同様のことが起こっている。

某大手生保会社の社員が「現在当社は過去に遡って不払い問題を洗い出し、適切に対処すべく全力を挙げている」と言っていた。何故か若干自慢げ?に・・・。

その会社の行為が正義であるということを前提に話しているらしい。

確かに過去の間違いを、この際すべて洗い出すという方向性は正しいし、ある意味立派でもあると思う。そういう自社の体制に誇りを持つ、その純粋な愛社精神は素晴らしいとも思う。

しかし、企業が自社で犯した間違いを正すのは、顧客側から見れば当然の責務でしかない。それが正義だと思い込むのは顧客不在の思考ではないかと思う。

だいたい、その過去の間違いの件数がとてつもなく多すぎるというのに、勘違いしないでほしい。

過去の杜撰な体制を恥じ肝に銘じて反省し二度と同じ過ちをしないよう悔い改める、というような考え方をしないと、いつかまた似たような間違いを繰り返すことになる危険を残す。自社を愛し守りたいなら尚更、あくまで自社に厳しくあるべきだと私は思う。

シュークリームでも金融商品でも、製造メーカーへの信用を失ったら、人はそこから二度とモノを買うことはない。

我が愛する保険業界に、生れ変ってほしいと心から願う。



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