2005年09月17日 02:07
営業魂
現在うちの会社で使用している複合機(FAX・コピー)は、2年前にSOHO事務所を借りた時に、ネットオークションで2万5千円ぐらいで落札したリース落ち商品である。2年間便利に使ってきたわけだが、最近になってFAXがうまく動かない現象が起こり出し、そろそろ買い時だと考えはじめていた。
そんな時に、あるOA機器営業マンが別件で当社にやってきたことを期に購入(リース)を本格的に考え出した。この営業マンは、以前から私の中で評価が高く、買うならこの人にしようと実は思っていた。
彼の評価が高い理由は、当社にある同メーカーのカラーレーザープリンターの調子が悪くなった時に、相談をしたら快くすぐにやってきてたちどころに直し、そして爽やかに帰っていく、というようなさりげない配慮をしてくれたことに感心したことが大きい。それだけでなく、彼の対応というのは、さりげないけれどタイミングを逃さない部分があり、それが必ずしも実質的に役に立つかどうかは別としても、困っているこちらの心境をキャッチして動いてくれる、という心遣いに、営業マンとしての”魂”のようなものを私は感じてきた。
顧客の要求に敏感に応えるということは、当たり前に見えても、実はある種の感性が無いと簡単には出来ないものだと思う。それを「コミュニケーション能力」と呼ぶわけだが、その能力は本人の努力以上に、産まれ持った感性に近いものでもあるかもしれない。そういう意味でも彼は優秀な人だと私は感じてきた。
さて、そんなお気に入りの営業マンから、新品の複合機という、私にとってはかなり高額の買い物をする決意をほぼ固めていた矢先、彼は、当社に自分の上司をつれてやってきた。
その時、当社には仕事仲間や取引先など4人の男性がいた。そこに更に2名追加ということになって、狭い事務所はたちまち満員になった。上司をつれてくることは顧客に対しての気遣いの一つなものかもしれないが、私にとっては、営業担当の彼を評価しているからこその買い物だし、狭い事務所なので大人数入るのはキツイのである。だから、何故事前に伝えずに上司を連れてきたのか、というツッコミを彼に入れた。
それがその上司にとって気分を害するものだったのかどうかは不明だが、その上司は、私にではなく、仕事仲間や当社の取引先である4人に向かって、自社製品や自社業界の話などを長々と語りだした。
適度に盛り上がったので、最初はそれもいいかと思って聞いていたが、どうでもいい話が延々と終わらず、しかも、その上司は”私の方を殆ど見ずに”私が横でずっと一言も発せずにしらけていることにさえ全く気がつかない。
私のことが目線に入っていないのだ。一体この人は何をしに当社に来たのだろうか。
いい加減時間が無くなってきても、いつまでも4人だけと話しをしているので、とうとう限界を感じて「用事が終わったなら帰ってもらえますか」と私は話をさえぎった。
場は、どっちらけた。
私が最も悲しかったのは、営業担当の彼が、私の表情に気がつかないということであった。配慮が出来る人だと評価してきたはずの彼が、自社の上司を前に、顧客の顔色を読めなくなるとは。今までの評価は私の思い込みだったのだろうか。
サラリーマンとは自分の上司の前ではそういうものだよと、仲間内の人があとからフォローの意味で言ってくれたけれど、しかし私自身も営業マンである以上、あの対応には営業魂のカケラも無いと感じずにはいられなかった。
家に戻りずっとモヤモヤが抜けず、そして、今回の買い物を白紙に戻す方向に心が動いている。
この買い物は、私にとって、それを買えるようになった自分自身に喜びを感じるような嬉しい買い物のはずだった。私にとっては、2万5千円の中古複合機から何十倍もの進歩なのだ。たかが一台の複合機と思う人は思うのかもしれないが。
しかし私は、どんなものでも、心ある営業マンからモノを買いたいと思う。自分も心ある営業マンでいることに誇りを持ってきたから。
週明けに、彼ともう一度話をするつもりである。営業って何なのか、顧客サービスとは何なのか。彼がもう一度考えてくれることを願う。
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コメント一覧

ワシもそんなことありましたな〜。誰が決定権持ってるのか、わかってんの?って思いましたね〜。そりゃ取引はしませんでしたね〜。
お元気に頑張ってますか?(^^)
確かにこの上司さんは、決定権やお金を支払う人が誰かと言うことをスッカリ忘れてしまっていたようです(苦笑)

しかし、打合せに来ていた4人の男性が、風貌も肩書きもそれなりの方々ばかりだったので、私はペーペーに見えたとは思う!(爆)
それと、この上司さんの話題に4人は適度に頷いたり盛り上がったりしていたくせに、帰ったあとで「あの人は営業の基本が成ってないなー」と批判しててねぇ。私へのフォローもあったとは思うけど、男性って表裏があるんだわーと実感。
直球主義の私にはマネできませんワ〜。
>しかし、打合せに来ていた4人の男性が、風貌も肩書きもそれなりの
>方々ばかりだったので、私はペーペーに見えたとは思う!(爆)
いや絶対に違うって。(笑)
彼はかなり恐縮してたよ〜(^^;
たかむらさんに気を使いすぎて
私のこと忘れたのかもぉ!
ところで、彼はエムツーも担当してるのよ。(偶然ですが)
なので、エムツースタッフに彼の評判を電話で聞いたら、やっぱり悪くは無かったヨ。
バリバリ系ではないが細やかで親切、というようなご評判でした。
私とほぼ同じ感想だなと思った次第。
さ〜て、どしようかなぁ〜。<購入
会社員っていうのは、組織の人間だから、顧客以上に上司みてしまうのかもしれません。そのあたりって難しいですよね。会社は会社で、個人は個人。上司と来ると、会社のカラー(上司のカラー?)が強くなってしまうのかもしれません。出来たら、育ててあげてください。お客さんに育てられるのが一番成長しますもんねー。
これからも、仕事に育児に頑張ってください!応援しています!
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