2005年06月29日 02:08

カウンセリングと営業

 私は今仕事で、ある書籍の編集業務を担当している。どのような本かというと、離婚者や家庭問題で悩んでいる人にアドバイスする立場の人(行政の相談員や、家庭問題カウンセラー)に向けた、カウンセリング理論や心得などを、当事者の意見なども含めながらまとめる本、、、というカンジだろうか。発行はきっと年末頃であろう。時期が来ればまた具体的に紹介したいと思う。

 ちなみに当事者アンケートを現在募集中。ひとり親家庭で子育てをされている方はご意見をお聞かせ下さい。
http://www.singlemother.co.jp/enq/enq2005.html


 さて、私はこの書籍についてはあくまでも編集者であって執筆はしていないが、内容の「カウンセリングの心得」的な記述を編集しつつ読んでいると、非常に興味深いことがたくさん書かれている。

 編集しながら(なるほどね〜〜〜)(へーへーへー)と感嘆しつつ作業を進めている。

 詳しくは、本番の書籍を是非読んでほしいが、とりあえずさわりだけ。私にとって非常に興味深かったのは「アドバイスとカウンセリングは違う」というようなくだりであった。アドバイスは一部答えを教えるようなイメージだが、カウンセリングは答えを本人から引き出す支援をする、というスタンスである、というようなことが書かれていた。更に詳しく人間の心理や行動などを理論的に解説していて非常に納得するような内容であった。

 つまりね、人は他人の押し付けた回答には心地良さを感じにくく、本人自身が見つけた答えは非常に納得して心地よく受け入れられる、ということなわけだ。

 で、営業の場面でも同様のことが言えると私は思う。

 営業マンは顧客を説得するのではなく、顧客自ら答えを出すことを後押しする、そんなスタンスが必要だよね、という話。

 いくらプロの知識を得ても、資格だの階級だのと肩書きを得てみても、お客様と同じ目線でお客様自ら答えを導き出すことをサポートしたい、という姿勢が無いとお客様に嫌われるじゃん、と思うのサ。

 実際、プロ風をブイブイに吹かせて上から押し付ける営業姿勢というのが、私はどうも好かんのである。その、どうも好きになれない理由が「答えを押し付けられるから」なんだな〜と、自分なりに納得してしまった。

 自分が好きじゃないぐらいだから、自分もそういう営業はしたくないと思うが、自分のことは案外見えないので実際どうであるかはイマイチ自信ナシ。ついつい顧客をなんとか説得しようとしてしまうことも少なくはないだろう、と思い当たる。

 というわけで、明日からまたあらためて心がけようと思った次第である。


 顧客が気分良く答えに到達できるような営業、それって「思いやり」とかそういうことだと思うんだよね。知識やアドバイスは営業において非常に小さな力であって、その外側の「思いやり」が営業の大半であり、そこにセールスの真髄がきっとある。



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