2005年05月29日 15:41

徹夜&ビジネスマインド

久々に貫徹してしまった。何をしていたかと言えばもちろんお仕事。

先日、長女が自分が参加しているグループが主催するイベントで使うパンフレットの注文を受けてきた。当社は印刷物制作も扱うので、営業協力サンキュ〜と娘に感謝しつつ、それでも娘の知り合いだし学生達ということで、相当な安値で引き受けた。

昨日、現物500部が仕上がって上々の出来であった。キレイなパンフレットだわ〜と喜んだのも束の間、昨日の夜になって娘が困った声で連絡してきた。入れるべき文言2行分が入っていなかったという。原因は、先方がその文字を入れる指示をハッキリ伝えなかったためなので、娘が悪いわけではない。

相手が一般の顧客なら、こちらに非が無いのだし、もうどうしようもないと回答したくなる話だが、しかし夜の9時過ぎに会社に飛んできた娘は、何とか方法が無いかとあちこちに連絡を取ったり方法を模索して行動し出した。

透明テープのテプラに文字を打ち込んで貼る方法はどうでしょうか?と電話で問い合わせた娘に対して先方は「いかにもシールと判るのはダメだ」と勝手なことを言う。別紙にプリントしてパンフレットに挟む方法を尋ねると、それもイヤだと先方は言いはる。そんな無茶なと内心思い、娘に「あなたは悪くない。頭を下げれば済むことだから諦めよう」と娘を諭すが、娘は中途半端に済ませたくないと言う。

そんな娘の必死さと行動力に心を動かされた。一度引き受けた仕事に対して最後まで誠意と協力を捨てないのがビジネスの真髄だと、若干高校2年の娘に、ビジネスの基本中の基本の精神を思い起こされる。(親バカ心境も含まれるが)

次に、パンフレットの上にプリンターで文字を刷る方法を試してみると、これが案外うまくいった。一見最初から印刷されているかのように見える。良かった!

これで問題は解決しそうに思えた。

しかし、その先が大変なことになった。

当社のプリンター(カラーレーザー)は、半年前に購入した当時から、手差しトレイからの配給の際の噛み?具合がイマイチで紙がズレてプリントが微妙に曲がり、紙詰まりを起こしやすい。当初から手差しプリントを良く使うという条件で商品を決めたのだが、現実はその希望に合っているとは言い難かった。

当初製造元にも問い合わせてみたが、どうも対応が良くない。悩んだ末に、苦情や返品などを申し出てトラブるより、現状でなんとか使用するほうが効率的という経営的判断をして、そのまま使用してきた経緯がある。

そんなプリンターくんのご機嫌状態だけが不安材料だったが・・・。

作業を開始して刷り枚数が100枚を超えたところで案の定、一気に動きが悪くなった。なんと1枚ごとにエラーがたつ。エラー回復のために扉の開閉を行い、その後機械自体がエラー復旧に30秒ほど時間を要し、1枚刷るのに1〜2分以上かかる始末。パンフレットは、明日、娘も参加するイベントで配布するものだ。時間は今夜一杯である。

中折のパンフレットを開く準備作業などを娘が行い、私はプリンターの前に陣取ってエラー回復作業に時間を潰す。プリンター自体の世話はひとりしか出来ないので、準備作業を終えた娘に、明日があるから家に帰るよう言うと、娘はすまなそうにしながらも私に任せて帰っていった。

夜中の12時が過ぎていたが、ひとり作業を続ける。

通常のトレイも試したが、紙が不要に反り返る他に、どういうわけか印刷がぶれ、更に不要な箇所にインクが付く。紙が厚めのコート紙だから?そんなアホな?トレイを試したことで時間のロスとパンフレット20部がパーになった。もう悩んでいるヒマは無い。

噛みの悪い手差しトレイで1枚ごとにエラー回復を繰り返す覚悟を決め、作業を再スタート。合間に梱包をしたり、噛み具合を少しでも良くするためにパンフレット1枚1枚の埃を払ったりしながら作業を続ける。

コツなどもつかんできたり、アタシャ職人?と思うほど集中して作業を繰り返し続け、時々プリンターのご機嫌が良くなって10枚連続印刷出来ると、それだけでやたらと嬉しくなったりした。しまいにはこのご機嫌ナナメなプリンターに愛着さえ感じてきて「ガンバレ〜」などと声をかけていた。

作業が終了したのは朝だった。

疲労困憊したが、朝日の中で帰路につくあいだ、納得のいくまでやれた仕事への爽やかな達成感を感じた。

思えば修行のような作業だったかも(笑)
ITやらマーケティングやらで、ビジネス効率を高める仕事もいいけれど、たまにはこういう軽作業をするのも大切かもしれない。原点回帰ってやつかなぁ。仕事って金じゃないと改めて思った。まぁ自己満足もあるケドね。

娘は、次のパンフレットの仕事を持ってきた。こんどは自分もデザインに挑戦したいと張り切っている。またどんなトラブルが発生するか?少々おっかなビックリだけれど、二人で力を合わせればきっとまたいい仕事が出来るだろう。



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